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ニュースリリース

2018.01.25

コラム

【神保太樹先生の #はからめコラム Vol.10】

嗅覚と記憶の深いつながりについて

神保太樹(統合医療研究所 T-LAB 所長)

「記憶を司る『海馬』と嗅覚を司る嗅神経のつながりについて②」

今回は、これまで報告された文献から、アルツハイマー病の人の脳内で何が起こっているのかを少し考えてみたいと思います。
古くは1991年のBraakらの論文や、1983年のAverbackらの報告でも、すでに嗅覚に関係する脳のあちこちに、老人斑の形成などの神経変性が起こっていることが知られていました。さらに嗅球自体を見ても、嗅球周辺に大量のアミロイドβの沈着が起こることも報告されています。しかも嗅細胞とよばれる鼻の中の嗅覚受容体を含む細胞でも「神経原線維変化」と呼ばれる特徴的な変化が起こっていることも報告されています。
「神経原線維変化」とは、タウというたんぱく質が過剰にリン酸化されて神経細胞内に蓄積したもので、加齢に伴って出現し、アルツハイマー型認知症などでは脳全体に見られるものです。
これらの変化はアルツハイマー病のごく早い段階でも起こりうることが知られており、アルツハイマー病が脳の中の嗅覚に関連する場所を破壊することが、これまでの研究からも示唆されています。
次回は、嗅神経の直接的破壊以外に考えられる嗅覚障害の原因についてお話します。

 

次回更新をお楽しみに(^_-)-☆

#はからめ #認知症 #アロマセラピー #アルツハイマー #匂い #嗅覚