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ニュースリリース

2021.04.21

お知らせ

【神保先生のメディカルコラム Vol.44】最終回

快適な生活と健康の実現のために

神保太樹(株式会社CHIKEN 取締役)

「健康情報の見極め方について」

みなさんこんにちは。非常事態宣言も解除され、春の陽気が満ちるこのごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、健康情報をどう読み解くか、といったお話をさせていただきます。
このコラムを読んでおられる方々は、みなさん健康情報に興味がある方だと思いますが、どのように情報収集をしているでしょうか。こうしたインターネットでしょうか、それともテレビなどでしょうか。きっといろいろなところを介して様々な情報が飛び込んできていると思います。
さて、みなさんはエビデンスという言葉を聞いたことがあると思いますが、日本語に訳すると「根拠」という意味です。よく薬、ワクチン、健康食品などで「エビデンスがある」とか「エビデンスがない」といった表現を耳にすることもあるでしょう。このエビデンス、実はあるかないかの二元的なものではなく、科学や医学の世界としてはレベルの概念をもって論じられるものです。例えば、私のコラムのエビデンスレベルは、一番低いレベルとなっています。私自身、根拠となる研究などにはなるべく触れるようにしていますが、実際のところ「一人の専門家の意見」は、どんなに高度な話をしていてもエビデンスのレベルとしては最も低いのです。なぜならば、人は思い込む生き物であるので、そうした思い込みの要素を配するためにはきちんとした研究の結果から論じないといけないという事実があるからです。
では、どのような研究が「エビデンスのレベルが高い」のでしょうか?まず、「ランダム化比較研究」と呼ばれる研究方法を採用したものは高いエビデンスレベルがあると解釈されます。どういうものかというと、まず被験者はランダムに2群以上(多くは何もしていないか、研究対象となるものの影響を受けない群と研究対象となるものの影響を受ける群という風に分けられます。)に分け、明らかに影響があるということを立証する研究です。そしてこうしたランダム化比較研究を複数取りまとめて解析した研究を「メタアナリシス研究」といいますが、これが現段階でもっとも高いエビデンスレベルと解される研究です。これらの研究の下にランダム化を行っていないような研究や、単に研究対象物の投与前と投与後の変化を調べただけのような研究、対象者のカルテなどからの分析による研究などがあります。
このように、エビデンスといっても様々ですが、中にはこうした研究がほとんどないにも関わらず専門家の意見だけで有効として売られている商品や代替療法も散見され、健康被害の報告すらあります。みなさんは、是非以上のような研究のエビデンスレベルの概念を念頭において賢く健康情報を収集してみてくださいね。

さて、長きにわたり連載をしてきた本コラムなのですが、今回で最終回となります。
これまでコラムをご覧いただきました皆様、誠にありがとうございました。またどこかでお目にかかる機会があれば、その時はよろしくお願いいたします。
みなさまの益々の健康を祈って、このコラムの結びの言葉としたいと思います。