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ニュースリリース

2020.09.18

コラム

【神保先生のメディカルコラム Vol.38】

快適な生活と健康の実現のために

神保太樹(株式会社CHIKEN 取締役)

認知症の薬のお話①

みなさん、お元気でしょうか?だいぶ暑さも和らいできましたね。
さて、今月9月21日(月)は「敬老の日」「世界アルツハイマーデー」です。
今日はこの日にちなみ、認知症の薬のお話をしたいと思います。

認知症にはいろいろなタイプがあることを皆さんもご存じかもしれません。
一番多いのがアルツハイマー型認知症であり、他にも脳血管性のものやレビー小体型認知症などがあります。

認知症のお薬というと、これもまた様ざまな種類がありますが、純粋に認知症の症状を抑える目的で使える薬は日本では2タイプ4種類に留まっています。まず古くからあるタイプがアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で、アリセプト、レミニール、イクセロンといった3種類です。

作用の機序としては、特にアルツハイマー型認知症の方の脳内で不足してしまう、アセチルコリンという神経伝達物質を増やすお薬です。それぞれ長所があるとされ、例えばアリセプトは薬の形状が多く、また1日1回の服用で良い点と、レビー小体型認知症の治療にも有効であるという点が長所となっています。レミニールは服用中断後の症状悪化が緩やかである点が優れているとされますし、イクセロンについては皮膚から吸収させるパッチ剤であることから、投与面方法としてメリットがあるとされます。

また、もう1タイプの薬がメマリーというお薬です。メマリーはグルタミン酸の受容体の一つであるNMDA形グルタミン酸受容体に作用し、活性を抑えることで神経細胞の障害を軽減するとされ、前述のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬と併用が可能であることが特徴です。

今回はここまでとさせていただきます。
次回は続きからお話させていただきますね。