2020.05.20
コラム
【神保先生のメディカルコラム Vol.34】
快適な生活と健康の実現のために
神保太樹(株式会社CHIKEN 取締役)
「ストレスと健康について①」
みなさま、お元気でしょうか。新型コロナウイルス感染症により在宅勤務などの対応をされている方も多いと思いますが、ストレスは溜まっていませんか?おそらく多くの方が大なり小なり「溜まっている」と答えるかと思います。では、ストレスとは何でしょうか?
ストレスという言葉自体はだいぶ古くからあり、1930年頃カナダの生理学者であるセリエらの提唱によって生まれたとされています。セリエ博士はストレスを外部からの刺激によって起こる心身のバランスを欠くことに対する非特異的反応である、と位置付けました。分かりやすく言うと、環境の変化に対する人の反応としてストレスが生まれる、としたのです。
さて一般に、ストレスといわれるとなんだか悪いことに対する反応のように思うかもしれません。ところが実はそうではなく、良いことであっても環境が大きく変わるときにはストレスになるのです。米国の社会学者ホームズは、1967年にホームズのストレスマグニチュードという、どのような事柄がストレスになるのかを点数化した尺度をつくりました。これを見てみると、例えば離婚が73点である一方、夫婦の和解も45点となっています。また、特別な業績を上げることといった喜ばしいことでさえ、28点となっているのです。このように、日頃慣れ親しんだ環境からの乖離は大きなストレスとなることが分かります。今、皆さんはどうでしょうか。これまでの日常とは異なる毎日にさらされ、ストレスになっているのではないでしょうか?