2019.09.18
コラム
【神保先生のメディカルコラム Vol.26】
快適な生活と健康の実現のために
神保太樹(株式会社CHIKEN 取締役)
「肥満について①」
9月に入り、秋の気配を感じるようになりましたね。秋と言えば「食欲の秋」ということで、今回は私も悩んでいる脂肪の話をしたいと思います。
まず、脂肪がつきすぎた状態、すなわち肥満とはどういう状態を指すのでしょうか?
以前に比べるとその定義はやや厳しくなりつつあり、日本肥満学会の「肥満症の診断基準と治療ガイドライン」によれば、旧来の定義であったBMI≧25で内臓脂肪面積が≧100㎠、またはBMI≧25で肥満関連疾患(脳梗塞、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群など11種類の疾患が指定されています。)という定義に加え、BMIが25未満であってもウエスト周囲長が男性85㎝以上、女性80㎝以上で肥満関連疾患があれば肥満と定義する、ということになっています。
肥満を疾患ととらえた場合には、当然治療という考えが出ますが、現在肥満に対しての治療目標は「現体重の3%以上の体重減少」ということになっています。80㎏の人の3%の体重は2.4㎏ですから、そこまで苛烈なダイエットを行わなくても肥満による健康障害は改善できることが分かっています。
ちなみに投薬などの特別な治療が必要とされるものを高度肥満と定義し、概ねBMI≧35が高度肥満と定義されますが、最近は日本でも増加傾向にあります。若い人でも、例えば大学生の200人から300人に1人は高度肥満であると指摘されており、特に男性の肥満は年々増え続けていますから、我が国でも欧米並みに増加してくる可能性もあります…(つづく)
次回の更新をお楽しみに☆