2019.06.19
コラム
【神保先生のメディカルコラム Vol.23】
快適な生活と健康の実現のために
神保太樹(統合医療研究所 T-LAB 所長)
「禁煙について②」
こんにちは。今回は先月の続きとして、医療機関でおこなう禁煙の治療法についてお話いたしますね。
保険が使える薬は2種類あり、飲み薬(チャンピックス®)とパッチ薬(ニコチンパッチ)があります。主に飲み薬が使われ、治療期間は概ね3ヶ月です。安全性の高い薬ではありますが、吐き気や便秘、不眠、頭痛などがおこることがあります。また、禁煙成功率は約7割と報告されています。
しかし、医学上の定義と皆さんの感覚との間に解離があるかもしれません。実はチャンピックス®の禁煙成功率とは、3ヶ月後の禁煙成功率であり長期成功率ではないからです。(対照群よりは良いとはいえ、最長52週までの持続禁煙率は34.6%に過ぎません。)
このような背景から、タバコの依存性が極めて高いことがうかがい知れるでしょう。(尚、現在のところ、ヘロインやコカインなどの違法薬物と同程度にタバコはやめにくく、しかも依存症になる率はもっとも高いということが知られています。)
「禁煙なんて簡単さ、僕はもう20回もしてる。」などということのないように、禁煙は薬剤などに頼るだけではなく、気晴らしなども必要であると思われます。例えばアロマセラピーや、ガムを噛むなどによって気分転換することもオススメですよ。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
それでは皆様の健康を祈って今回は終わりいたしますね。
次回の更新をお楽しみに☆