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ニュースリリース

2018.04.12

コラム

【神保先生のメディカルコラム Vol.3】

快適な生活と健康の実現のために

神保太樹(統合医療研究所 T-LAB 所長)

「においと認知症の関係について③」

さて、前回はある種の匂いが前頭前野近傍部を活性化することについてお話ししました。
この前頭前野近傍部が活性化することは、いくつかの研究で認知症予防に繋がりうることが示唆されています。ですから、レモンなどの匂いが認知症に効果がありそうだということが裏付けられたわけです。
実はレモンの匂いは、その他にも認知症に効果があるかもしれないことが示唆されています。動物実験でラットにレモンの匂いを嗅がせると、海馬の中のアセチルコリンが増えることが分かっています。認知症の治療薬であるアリセプトは、アセチルコリンの分解酵素を阻害することによって相対的にアセチルコリンを増やすお薬です。匂いを嗅ぐだけで、この薬と似通った効果が得られている可能性があるのはとても面白いことだと思います。
それ以外に、匂いは大脳辺縁系にも働きかけることが知られていますが、情動の過度な変化を抑制すると考えられており、中核症状である物忘れと同様に、徘徊や、攻撃的になるなどの周辺症状にも匂いは効果があると考えられています。
次回はこの内容を掘り下げて、前頭前野近傍部を刺激することの意義について概説します。

 

次回更新をお楽しみに(^_-)-☆

#はからめ #認知症 #アロマセラピー #アルツハイマー #におい